徒手療法家・ライフヘルスコーチ 佐藤勝美

こんにちは。Office ONAKA TEATE 代表、オンラインサロン「Club おなかにてあて」オーナーの佐藤勝美です。

Office ONAKA TEATE では Onaka Training(おなかトレーニング)と名づけて、「おなか」から身体を動かそうという運動療法をサポートしています。ただ身体を動かすだけではなく、自律神経や心の在り方にもフォーカスして、一人ひとりに合った運動療法を計画的に進めるのです。

そして、オンラインサロン「Club おなかにてあて」のスタートに合わせて、Onaka Training として開催するリアルイベントを企画しました。

そのイベントのの名前は、「歩く暮らし」

便利な現代生活の中ですっかり歩かなくなってしまった人、反対に身体を使い過ぎて痛みに悩み歩けなくなってしまった人、そんな人たちが痛みなく歩き続けたい、そして「歩く」を楽しみたい、そんなゴールを目指して「歩く暮らし」を手に入れようというイベントです。

毎月最終日曜日、私が参加者と一緒に歩き、一人ひとりに合った「歩く」をサポートしています。

今まで、ひとりで運動して結果が出なかった方、もう諦めてしまった方、ぜひ参加してみてください。

そして、「Club おなかにてあて」の「学ぶ・つながる」のコーナーでは、イベント「歩く暮らし」に参加した方に、そして参加できなかった方にも、歩くを楽しむための情報をお伝えしていきます。

第1回目の今回は、これまでのあなたの「歩く」をチェックしてみます。症状によっては、運動療法を始める前に適切な治療を受ける必要があるかもしれません。

さあ、あなたの今からチェックしてみましょう。

Check1:ずっと痛いのに痛みどめだけ飲み続けていませんか?

「もう何年も処方された痛みどめを飲んでいるだけです。」

その人はずっと、痛みどめの処方以外に治療は受けていないそうです。

こんなご相談を、足腰の慢性痛にお悩みの方から頂くことがあります。

痛みはつらいものですが、他に何か手を施すわけでもなく、痛みどめだけ処方し続けるというのには首をかしげてしまいます。但し、耐えられないほどのストレスになる痛みは自律神経を乱し、さらに痛みを慢性化させてしまうので、痛みどめを使うことが全て悪いと言っているわけではありません。

痛みは身体を修復するための治癒反応です。痛みを起こすことにより「回復を待ち、無理をしないように」と、教えてくれるのです。しかし痛みに悩む多くの人が、痛みを怖がり運動を控え、将来歩けなくなるんじゃないかと不安に過ごし、もう手術しかないかと諦めかけています。

痛みには様々なケースがありその原因も様々です。どこかの組織が損傷していたり、関節の動きが正常でなかったり、内臓の緊張や疲れが原因となり痛みを起こすこともあります。中には、痛みを発する原因がないのに痛みを感じてしまうケースもあるのです。

そんな痛みの根本原因が改善されていなければ、緊張や疲れのあるところをかばった姿勢をとり続け、痛みを繰り返してしまいます。

まずは痛みの根本原因を探ってみましょう。
そこから初めて、長年のつらい痛みから解放される糸口が見つかるのです。

薬については薬剤師の小山三紀子先生が連載を書いています。こちらもぜひお読みください。

Check2:痛みの根本原因に合った治療を受けていますか?

今お悩みの痛みによっては、運動療法を始める前に的確な治療を受ける必要があります。

慢性化した痛みに悩んでいる人には、器質的問題が起こっていることがあります。組織の変性が起こっているために、運動をしただけでは改善が難しく、むしろそこを庇って動くために痛みが複雑化してしまうことがあります。

そんな方には的確な治療を施し、運動療法に取りかかる前の土台を作るのです。
そして、その土台を元にその後の運動療法の計画を立てていきます。

根本原因を探り、的確な治療を施す。

しかし現実にはこのプロセスを省略して痛みどめだけ出され続け、数年後に手術を勧められたというような方が多いのではないでしょうか。

それはもしかして、しっかりとした経過を辿っていればその手術は回避できたかもしれないのです。

それに、特に医療の選択肢の少ない僻地では、
「そんなことを言ってもどこに相談すればいいんですか?」と思われる方がいらっしゃると思います。

難しい問題かもしれませんが、日本に超高齢化社会がやって来るという未来はもう決まっています。
そこで、何かやれる対策を今からと思いついたのがこの「歩く」教室です。

全ての変性を改善できるわけではありませんが、徒手療法には多くのものを改善できる可能性を秘めています。

治療が得意とするのは緩めることです。一方で運動療法が得意とするのは力のないところに力をつけたり、忘れてしまった正しい運動パターンを再教育することです。

治療という経過を踏むことにより、運動療法の効果を引き出すことができます。

他に、痛みの根本原因が自律神経の乱れであったり、脳が痛みを作ってしまうケースもあります。

そんな時は栄養からアプローチしたり、暮らしの中で心のバランスを取ったほうが痛みが軽減することがあります。

根本原因を探り、それに合った対処法を選ばなければ、痛みを解決することはできません。

Check3:がんばって歩き過ぎていませんか?

これまでに的確な治療を受けてきたかどうかだけではなく、痛みが慢性化してしまった原因があなたの暮らしの中にあったのかもしれません。

痛みで悩んでいる方へ、運動のアドバイスをするのは意外と難しいのです。
例えば膝が痛く医療機関に行き、こんな流れになることがあります。

レントゲン検査をしてもらい「骨には異常ないですね。」と言われ、
「筋肉がないからですね。膝の運動をしましょう。」と言われ運動を指導される。

しかし、一生懸命膝の曲げ伸ばしをしていたら余計に痛くなってしまった。
真面目な人に限って、痛みをこらえてまでやってしまうことがあります。

痛みの原因となる組織が耐えられないほどの負荷で運動をしても逆効果なのです。

無理な運動をしていなくても、痛みが慢性化してしまうことがあります。
組織の抵抗力が著しく落ちていれば、何気ない生活動作や仕事で繰り返す姿勢や動作によっても痛みが止まず、むしろ悪化してしまうことがあります。

ではどんなことに気をつければいいのでしょうか。

専門家に生活や仕事、そしてトレーニングの負荷をチェックしてもらえれば一番ですが、
先ずは強い痛みをこらえてまで無理をして、からだを動かさないことです。
動かした時に「うっ」と息を止めてしまうほどでは無理しすぎです。

どうすればいいのか分からない時には、心地よさを大切にしてみてください。

心地よい範囲で筋肉を動かせばそこに血液が流れます。
痛みをこらえて力んで動かせば血流は止まります。

患部に血液が流れなければそこは修復されません。
これは我々が普段施術においても気をつけていることです。

皆さんもからだを動かすときに自分のからだの声を聞いてみてください。
力みを作らず心地よく動く。動くことを楽しみましょう。

Check4:ゴールを決めて一人ひとりに合った長期プログラムを立てましょう

人間のからだは、一つのユニットである。
これは、「Club おなかにてあて」が大切にする原則です。

しかし色んな方の相談を聞くと、医療機関で行われている治療は局所的な治療、また単器官への治療法が主体になっていることが多いように思います。

例えば、膝が痛ければ膝のレントゲン検査をして消炎鎮痛薬を処方する。
こんな流れが多いのです。

仮に薬以外に、膝に何らかの治療を施したとしても、それでは不十分です。
多くの場合、膝の問題には腰椎の状態が関係し、腰椎の問題には腹部の臓器の状態が関係するからです。

「Club おなかにてあて」では、人間のからだは一つの単位になっていて、多くの器官が総合関係を持ち、影響を及ぼしていると考えています。

それだけではなく、からだと心も密接な関係があり、特にホルモンの分泌は精神状態の影響を強く受けます。

さらに、一つのユニットとなる我々のからだは環境の影響を受け、周りの人々とコミュニケーションを取りながら暮らしています。
その人の暮らしや周りとの関わりは、ユニットとしてのからだのバランスを考えるときには非常に大切になります。

そして、近年は腸内環境とそこに常在する菌類は、その人のからだの一部と考えられています。
つまり、共存する菌類でさえユニットの一部なのです。

このように健康を捉えると、本当に多くの知識が必要となりますが、大切なのはユニットとしてのバランスです。

一部分を見過ぎたために全体のバランスを崩しては元も子もありません。

どうしても、今つらいところに意識がいってしまったり、一つのことを完璧にしたくなってしまうことがあります。

そんなときこそ、ちょっと落ち着いて深呼吸してからだを伸ばしてみてください。
からだは息を吹き返し、ゆれながらまたバランスを取り始めます。

一息ついて、もう一度自分のからだと心に向き合ってみましょう。

そこから何かゴールが見えたら、そこに向かってたどり着くための長期プログラムを立ててみましょう。

終わりに:吾輩は動物である

私たち人間は動物です。

動いてこそ健康になるようにできているのです。

人間は四つ脚から二本脚で歩くようになり、思考を使い、道具を使えるようになりました。
それと引き換えに重たい頭を支え歩かなくてはいけなくなり、バランスを保つのが難しくなってしまいました。

そもそも人のおなかの中は左右対称ではないので歪みやすく、二本脚で歩くのは意外と重労働なのです。

それでも、二本脚で歩くことによって身につけた「考える」ことを使って、もう一度「動く」ことを楽しんでみませんか。

「吾輩は動物である」

動いてこそ健康になり、動いてこそ心地よく暮らせる。

暮らしを支える「歩く教室」は来月7月より、最終日曜日に開催します。
詳細、募集は「Club おなかにてあて」の新着情報、またはLINE公式アカウント「ONAKA TEATE」にてチェックしてください。

さあ、一緒に歩きましょう。

YouTube チャンネル「 Onaka Training 」で、おなかから「動く」「歩く」「呼吸する」を発信しています。こちらもぜひ、ご覧ください。

この記事を書いた人

徒手療法家

さとう かつみ

佐藤 勝美